＜先輩看護師の声＞

訪問診療に携わって感じるのは、それぞれの患者様にそれぞれの歴史があり、生活の場があり、想いがあると思います。疾患や検査値、投薬内容などもすごく大事ですが、その人がその人らしく生きていく、そのために自分が診療看護師の立場でできることって何だろうと日々考えながら働いています。まだ答えは出ないし、答えはないとも思います。その日その日の診療を大切に丁寧に関わっていけば、訪問診療はすごくやりがいのある仕事になっていくと思います。一緒に頑張りましょう！

＜看護部長より＞

在宅看護師の役割は何でしょうか？
患者様の看護だけではなく、そのご家族様とも密に関わることが在宅看護師には求められます。なぜならば、ご家族様の協力なしには患者様がご自宅で療養することができないからです。患者様やご家族様にとって病院は“アウェイ”です。その一方で自宅は“ホーム”ですから、自分のしたいことを「素の自分」で過ごすことができます。色々な病気や問題を抱えている患者様が自分らしく尊厳を持って過ごせるように支え、ご家族様を支えていくことが私たち在宅看護師の役割です。
COPDで喫煙している方がいます。酸素吸入しながらタバコを吸うことは、病院ではまず考えられないことです。しかし私たちは『その行為で残された余生が仮に短くなったとしても、我慢して長く生きるより好きなことをして過ごしたい、過ごさせたい』とご本人・ご家族様が考えられたなら、それに添った方法をとります。
「吸う時はチューブを外しましょうか」と。
少しでも長く生きることをサポートすることだけでなく、短くなったとしてもその方らしい生き方をサポートできるよう、看護の考え方をチェンジすることが時には大切なのです。最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、そのような尊厳のある生き方・過ごし方を私たちと一緒に支えていきませんか。
在宅だからこそ、患者様だけではなくご家族様を含めた色々な問題が出てきます。
しかし、その問題を解決する喜びや患者様・ご家族様の満足感を私たちは知っています。
在宅看護に進むか迷っているあなたにも、この気持ちを知っていただきたいです。